2021.09.13
MAGAZINE Vol.10
日本に本格上陸してから2シーズン目を迎えている、2021年のTopo Athletic®(以下、トポ)。
ここでは、この秋から投入される新しいトレイルモデルに注目したい。
ワイドな前足部、ナチュラルな接地感を生むロードロップ、長く快適に走り続けられる軽量性。
トポのラインナップを特徴づける、これら3つの要素は、ロードモデルと同様、トレイルでも如何なく発揮されるスペックだ。
国内外で開催されるさまざまな大会に、トポのシューズで参戦した経験をもつ、トレイルランナーの村田諒さんにその魅力を聞くと……。
「実は僕、基本的に足幅が広いシューズって苦手なんです。
だから最初にトポを見たとき『どうかなあ……』というのが正直な印象でした。
でも実際に履いてみると、幅が広いのにフィット感がすごくあって、変な違和感を感じない。
それに幅が広いぶん、接地面も大きくなるからか、下りでの安定感、安心感がかなりあるんですよね」。
ハイエンドモデル「MTN RACER」を、レース、トレーニング問わず履き倒してきたという村田さん。
長丁場のトレランでは、シューズ内部のちょっとした“ズレ”が大きなストレスとなるもの。
その点トポのシューズは、前足部がワイドめにつくられているのに変な違和感がなく、むしろ足指までリラックスした状態で快適に走れるという。
「カカトと中足部がしっかりフィットするので、前足部に自由度があることは全く気にならないですね。
指が動いちゃうというよりも、動かそうと思えばフレキシブルに対応できる、という感覚でしょうか。
この点はトポならではの特徴であり、強みかなと」。
状況に応じて足先まで自由に動かせるから、路面をしっかりと掴むような感覚で走れる。
それが、下りやスリッピーな局面での安定感につながっている、というわけだ。
村田さんも愛用する「MTN RACER」が進化を遂げた「MTN RACER 2」は、
今シーズンもトレイルコレクションにおける最大の注目株だ。
「前作の“1”は、30〜70kmくらいのミドルレースでよく履いていました。
『Vibram® Megagrip』のアウトソールでラグも深いので、大雨のマッドレースで履いても路面をしっかり噛んでくれる。
その一方で、サーフェスを問わず、ロードのパートでも走りやすいところがすごく好きでした」。
悪路をものともせず、スピードレースまで対応するオールラウンドなトレイルシューズ、という特徴はそのまま、
最新の“2”では、クッション性と快適性がアップデートされている。
まず、ロードモデルでもおなじみ、トポ独自のミッドソール素材「Zip Foam™」を採用したことで、
“1”では感じられなかった柔らかなクッション性と反発性を実現している。
「ロードモデルのPHANTOMが好きでよく履いていたんですけど、それに走行感がすごく近い印象です。
僕はトレランシューズを選ぶときに、グリップ力よりもまず、
ロードでもトレイルでも走りやすいか、そして軽くて反発性があるかを重視しています。
ラグがしっかりめの、剛性が高いタイプはあまり好まない。サーフェスを問わず、走りやすいことが大事なんです」(村田)。
アッパーは、丈夫でありながら柔軟なバリスティックナイロンメッシュに変更。
“1”で特徴的だった、オーバーレイ加工もなくし、屈曲時のゴワつきが軽減されている。
「接地の時に、アッパーの屈曲部がカクッとなるのが少し気になっていたので、このアップデートは意外とデカいと思います。
より滑らかで、走りやすくなっている」(村田)。
すでに海外の一部メディアでは、「トポがこれまでつくった中で最高のシューズ」とも言われるほど、高い評価を集めている 「MTN RACER 2(エムティーエヌレーサー2)」。
加えてもうひとつ、今シーズンのイチ押しモデルとしてピックアップしたいのが「TERRAVENTURE 3(テラベンチャー3)」だ。
軽量性と耐久性のバランスに優れ、トレイルランニングはもちろん、
スピードハイクやロングトレイルなど、幅広い用途で使えるシューズとして人気の高かった前作。
最新の“3”では、ソールとアッパーに大きなアップデートが施されている。
まずアウトソールに、「MTN RACER 2」と同様の「Vibram® Megagrip」を採用。
グリップ力がさらにスペックアップした。
アッパーは2種類のメッシュで構成する仕様にアップデート。
前足部にはこちらも「MTN RACER 2」と同じバリスティックナイロンメッシュで耐久性を確保。
中足部には通気性を重視した素材を使うことで、長丁場のトレイルにおける快適性をアップさせている。
ハイエンドモデルに迫る機能を持ちながら、用途を選ばず手に取りやすいトレランシューズとして、こちらも注目を集めそうだ。